シェアハウスで盗難事件 パート3
やはり自分は単細胞なのか?
2回目の盗難被害に遭ってしまった僕。
手元に残ったのは、日本で買ったiPhone 6、ノートパソコン、カメラ、オーストラリアで買った中古のSIMフリー携帯のみ。
電子機器などを盗まなかった事から、犯人の目的はお金でしょう。
1回目の盗難、僕のバッグの中には約15,000円の日本円。
2回目の盗難、僕の財布の中には約150ドル(13,000円)
合計で28,000円の被害。
そして、これからやらなければならない事はパスポートの再発行。
もちろん、パスポートナンバーは変わるので、既に取ってしまった日本への帰国チケット、カナダワーホリビザ、タックスファイルナンバーなど、手続きが必要な物の見直しなど。
また、2ndビザを申請する為に必要な2ndフォーム。
それも無くしました。
前に働いていたマンダリンファームのボスに、2ndフォームの再発行を頼んでみた所、
「残ってるか分からないけど、探してみる」
との事。
もし、2ndフォームが再発行できなければ、僕は2ndビザを取る事ができません。
と言う事は、僕のオーストラリアでの生活は残り1ヶ月と少しです。
今年の2月にオーストラリアへ入国してから今日まで働く事以外、何もしてません。
何故なら2ndビザで、タスマニア、バイロンベイ、パース、エアーズロックなど、オーストラリアの色んな場所を巡るつもりだったから。
残念ですね。
こんな形でオーストラリアでの生活が終わってしまうとは。
そんな事よりも盗まれたパスポートです。
僕のパスポートにはね、僕が今まで訪れた各国のスタンプが押されていて、初海外でドキドキしながら押された1ヶ国目のタイの入国スタンプ。
ボッタクられながらも取ったカンボジアのビザ。
ウェルカム!と言われながら押されたヨルダンの入国スタンプ。
何度も何度も行き来したアルゼンチンとチリの入出国スタンプ。
ペルーのナスカで、どこに押そうかな?
なんて悩みながら押したハチドリのスタンプ。
遂にここまで来たんだ!
と思いながら押したウシュアイアの世界最南端証明のスタンプ。
一生の宝物になるはずだったパスポート。
初めて手にした時のワクワク、新しい国のスタンプが押された時のワクワク、出国、そして帰国のスタンプが押された時の寂しさ、、
それらを、全てぶち壊してくれた犯人。
そう思った時、犯人へ対しての怒りが最高潮に達した。
その後、シェアハウスのオーナー登場。
「本当にごめんね… こんな事になっちゃて…」
相変わらず綺麗な子。
何故こんな子が、あんな男と?
と1回目のバッグが盗まれた時以上に不思議に思ったが、
「あなたは悪くないです、謝らないでください」
と言った。
しかし、セキュリティ面にやや問題のある家。
「もう、明日この家を出ます。」
と言いたい所ですが、ボンド(デポジット)と言った物があり、直ぐに出れないのが事実。
それに、僕の両親が戸籍標本をこの家の住所宛に送ってくる。
そして何よりも、もしこれが原因で僕が出て行ったら、この韓国人オーナーは一生責任を感じてしまうのでは?
なので、僕は移動しない事にしました。
ただ「犯人は、まだこの家の鍵を持ってると思います。」とだけ言った。
まぁ、盗みに来ても僕から盗れる物は限られてますけどね。
むしろ、向こうから来てくれた方が探す手間も省けるのでウェルカムです。
そんな訳で翌日、僕は再び警察へ行ったのです。
が、ポリスレポートしかくれない警察。
「犯人見つけられますか?」
と聞くと
「何か情報はあるのか?」と。
正直、無い。
僅か1週間しか滞在しなかった犯人。
それも、毎日仕事だったし、犯人の顔すらも曖昧。
僕が知っているのは、国籍(多分、嘘)名前(多分、偽名)職業のみ。
犯人の職業は車の整備士で、これは間違いないと思います。
自分で綺麗に塗装した中古車の写真を僕に見せてきたし、ズボンだってペンキで汚れていましたから。
しかし、余りにも情報不足だったので、シェアメイトに
「彼について何か知らない?」
と、相談した所、犯人の年齢、そして貴重な電話番号をゲット。
年齢は19才(多分、嘘)
そしてゲットした犯人の電話番号。
それと同時に、あえて止めなかった僕のキャッシュカードが犯人によって使われた。
とあるケバブ屋にて10ドル。
携帯のチャージに60ドル。
とあるピザ屋にて20ドル。
人が稼いだお金でケバブとピザ食いやがってクソガキと思いながら、1回目の盗難日時と被害状況、2回目の盗難日時と被害状況。
それと犯人の国籍、職業、特徴、電話番号、いつどこで僕のカードを使ったのか?
などの情報を全て紙に書き写し警察署へ提出。
そして更に、メルボルンの警察署本部にも同じ文章をメールで送信。
やれるだけの事はやったし、僕が出来るのはここまで。
最後に「犯人を見つけるまでは日本へ帰れません!」
と言ったら、
「出来る限りの事はする。」
と警察。
それから僕はカードを止めた。
そして気付いてしまった。
お金を引き出せない事に。
無一文。
カードも身分を証明するものも何もない。
友達からお金を借りようにも、僕にお金を貸してくれる様な友達がいない。
今住んでいるシェアハウス、そして働いている場所も日本人は自分1人だけ。
今更だけど、メルボルンに友達いないぜ!
最悪お金が手に入らなかったら、仕事場のボスかシェアハウスのオーナーの彼氏から借りよう。
と思いながら、とりあえず銀行へ行った。
しかし「カードを盗まれた。」
と言ったら普通に銀行の窓口でお金を降ろせました。
シークレットクエッションなどを聞かれたりして、やや面倒でしたが。
「1週間後に新しいカードが届くから、ポリスレポート持って来てね!」
との事。
盗まれた現金150ドルは戻って来ませんでしたが、カードによって使われたケバブ代やピザ代などは戻って来ました。
サンタさんではなく、警察に手紙を渡してから数日後、、
依然として何の動きもない警察。
メルボルン警察署本部宛に送ったメールにも返答は無し。
「本当に犯人探してるの?」
と疑問に思った僕は、ポリスレポートを手に取り、これで4回目となる警察署へ。
「この事件の犯人探してますか?」と。
しかし、帰って来た返事は、
「これは私の担当じゃないんだ。ここに担当者の名前があるの分かる?彼がこの事件の担当者だ。彼は今週の日曜日に来る。また来てくれ。」
は?
でしたよね。
こんなので良いのか?
これが世界一暮らしやすいと言われている都市の警察かと。
それ以上考えると、メルボルンの事を嫌いになりそうなので、自分で行動に移しました。
犯人が僕のカードを使ったケバブ屋とピザ屋。
僕はそこへ行った。
僕のストーカースキル舐めんなよ。
と思いながら。
バンクアカウントに残っている履歴から、ケバブ屋とピザ屋の店名をgoogleマップで検索。
とあるストリート沿いに、そのケバブ屋とピザ屋はあった。
シェアハウスから徒歩20分。
僕はケバブ屋に行った。
そして、ケバブ屋の店員に自分のカードが盗まれ、そのカードを使ってこの店のケバブを食べた事や、犯人の特徴などを説明。
ただ、カードを使われてから既に3日が経過している。
それに、お客さんの顔なんていちいち覚えている訳がない。
「覚えてないわ。」
そう言われるのは、初めから分かっていた。
分かっていたけれども、どうしても許せなくて、僕から全てを奪った犯人を捕まえたくて、僕は同じストリート沿いにあるピザ屋に行って、再び同じ質問をした。
「ごめんね。覚えてないわ。」
「ですよねー。次来る時は、犯人が食べたピザと同じピザ食べに来ます。」
これで、完全に打つ手無し。
店頭にある監視カメラを確認したかったけれど、僕は警察じゃないし犯人が映っていた所で何もできない。
でも、諦めたくない。
盗まれた物が現金だけだったら、僕はここまでしないでしょう。
もし盗まれた物が150ドルだけだったら、150ドル取り返す為にメルボルンのクラウンカジノへ行き、500ドルの損失が目に見えている。
しかし、犯人が奪った物は僕の思い出です。
世界各国のスタンプが押されたパスポート、世界中を共にしたバッグ、友達から貰った大切な御守り。
絶対に許さない。
例え捕まったとしても。
依然、警察からの連絡は無し。
そんな中、僕はある事に気付いた。
犯人の電話番号知ってるじゃん!
って事は、犯人とショートメールが出来る!
すかさず僕は犯人にショートメールを送った。
僕が高校生だった頃に流行った、ブラックメールを利用して。
僕はメリッサ(架空の人物)だ。
メリッサにはデイビッド(架空の人物)と言う名の彼氏がいる。
そしてメリッサはデイビッド主催のホームパーティーに招かれている。
しかし、紐のデイビッドとは違い、毎日多忙なメリッサ。
パーティーに遅れてしまう事が発覚。
「彼に今夜のパーティー遅れるとメールしなきゃ!」
彼氏のデイビッドに送ったはずのショートメール。
それが、間違えて犯人に届いてしまうと言った設定。
そして、そこから始まるメリッサと犯人の奇跡。
しかし、メールを送った後に気付いた。
メリッサよ、何故彼氏の電話番号を間違えるんだ?
余りにも設定が雑すぎる。
やはり僕は単細胞だった。
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次回からマンダリンです。